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SDGs(エスディージーズ)達成のためのカーボンフットプリント(CFP)

1.SDGsとCFPの関係

 

ちふれホールディングス株式会社(ちふれグループ)は、SDGsに取り組んでいます。

SDGsの一環として、気候変動に具体的な対策を行うため、地球環境にやさしい商品づくりと普及に取り組むことを、ちふれグループのSDGsコミットメントで謳っております。そのためには、脱炭素や低炭素製品を開発していく必要がありますが、問題は、二酸化炭素などの温室効果ガスは目に見えない気体なので、地球環境にやさしい商品をどういう物差しで評価すればよいのか、と考えた結果、カーボンフットプリント(CFP:Carbon Footprint of Product)の算定に至りました。

2.CFPとは

カーボンフットプリント(CFP) とは、国際規格であるISO14067:2018(製品のカーボンフットプリント)の中で、「気候変動への影響に関するライフサイクルアセスメント(LCA※)に基づき、当該製品システムにおけるGHG の排出量から除去・吸収量を除いた値を、CO2 排出量相当に換算したもの」と定義されています。

 

※LCA:製品のライフサイクルを通じた入力、出力及び潜在的な環境負荷の収集と評価の手法のことです。

3.CFPとGHGプロトコルの関係

ちふれグループでは、CFP算定とともに、GHG(温室効果ガス)の排出量(Scope1, 2, 3)の算定を行ない、第三者検証を行っております。

 

GHGプロトコルのスコープ1,2,3は、サプライチェーン全体の、組織単位の温室効果ガス排出量を示します。CFPは、製品1個当たりの温室効果ガスの排出量を示します。ただし、CFP の取組は、GHG Protocol Scope3 の「購入した製品・サービス」(カテゴリー1)の算定に使えたり、「販売した製品の使用」(カテゴリー11)の算定に活用できたりします。

4.CFPを削減するために

では、製品のカーボンフットプリントを削減するために、CFPの5つの段階で、具体的にできることは何でしょうか。

 

1)原料の調達段階:  

これは、サプライヤー様の協力が不可欠なものになります。今、削減の対象はScope1(ガスやガソリン等)、Scope2(電気等) が主となっていますが、今後はScope3 を含むサプライチェーン全体の削減が求められます。そして、Scope3 の算定の精度を上げるには、サプライヤー様から調達している製品のCFP が重要になるため、CFPの開示を依頼する必要があります。

2)製造段階:        

電力の再エネ率が高くなるほど、ガス、ガソリンに比較してライフサイクル全体のGHG 排出量が少なくなるため、生産に使うエネルギー使用量の削減に加え、工場に太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入する。

3)輸送段階:         商品の配送を電気自動車で行う。

4)使用段階:         すすぎ性の高い洗い流し製品の開発。

5)廃棄段階:         バイオプラスチック容器、紙製容器など、合成樹脂の脱プラスチック化。

 

つまり、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、個々の企業の取組だけでは達成は難しく、サプライヤー様とも密にコミュニケーションをはかり、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減を進めていく必要があります。

5.ヨーロッパの取り組みや日本の関連法規

ヨーロッパはCFPの算定が進んでおり、欧州委員会では、温室効果ガス削減目標達成のための取組の一環として、CFP に関する規制の制定を進めているそうです。北欧では町のスーパーマーケットに並ぶ野菜にまでCFPが記載されているなど、消費者が商品のサステナブル性を重視した購買が広まっているそうです。また、フランスでは衣料品に対するCFP表示義務化に向けて進んでいるそうです。

 

化粧品の分野でも、コンソーシアム等でCFPを含む環境フットプリントのスコアリングや表示に関して業界内での統一した表示が導入される見込みだそうです。

 

一方日本では、現在CFP算定やマークに関する法律はありませんが、関連法規として、グリーン購入法や環境配慮契約法があります。また、経済産業省も、2023年1月31日に、カーボンフットプリント算定のガイドライン案を公表しました。

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