世界一簡単なカーボンフットプリントの説明を目指します。

カーボンフットプリント。
聞きなれない言葉だと思います。
日本がまだ大量生産、大量消費を行っていた1990年代初期に、欧米でこの考え方の原型が生まれました。
カーボンとは、英語で炭素のことです。フットプリントとは、足跡のことです。
直訳すると、意味は「炭素の足跡」です。
ではこれは、どうやって生まれ、どう計算し、どう生活に関わっているのか、できるだけ簡単にご説明させていただければと思います。
私たち化粧品を製造する企業であるちふれグループと、お客様が、化粧品1個当たりでどれくらいの温室効果ガスを排出しているのかを数値で共有し、仕入れ先様も含めてみんなで協力して低炭素社会の実現に向け活動できればうれしく思います。
カーボンフットプリントは、元々1990年代初頭に、カナダの大学で開発された、エコロジカルフットプリントに由来しているそうです。フットプリントは、足跡のことですが、転じて面積を示すこともあります。そして、当時のエコロジカルフットプリントとは、ある地域の経済活動や人々の消費活動を、永続的に支えるために必要な土地や水域の面積を表していました。例えば、日本という国で今の生活を維持し続けるには、今の国土の15倍ほどの土地が必要、という計算でした。
カーボンフットプリントは、面積ではなく、温室効果ガスの排出量を、トンや、キログラムなどの重量で表します。

2.カーボンフットプリントの表記
算定されたカーボンフットプリントは、kg-CO2eとか、t-CO2eなどと表示されます。CO2eは、シーオーツーイクイバレント(equivalent,同等のという意味)と読みます。温室効果ガスは、二酸化炭素だけでなく、メタンガスやフロンガスなどがありますが、例えば二酸化炭素に比べメタンは25倍地球を温暖化すると考えられています。従って、1kg のメタンが排出されたとすると、25kg-CO2、すなわち二酸化炭素換算で25㎏の温室効果ガスが排出された、ということになります。つまり、カーボンフットプリントとは、二酸化炭素に換算した場合どのくらいの温室効果ガスを排出するのか、を示す表記となっています。

3.カーボンフットプリントの算定方法
国際規格として、ISO(国際標準化機構)14067(製品のカーボンフットプリント)があります。また、ISO14040(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み)、ISO14044(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−要求事項及び指針)、ISO14064-1(組織のGHGインベントリ設計と開発)、およびGHGプロトコルを元に、自主算定手法を定めます。一般的に、ライフサイクルアセスメント(LCA)という考え方を元にしています。これは、化粧品メーカーとして化粧品を製造する際に発生する二酸化炭素だけではなく、原料の調達から廃棄に至るまで、サプライチェーン全体の排出を考慮しています。
4. 化粧品製造業のカーボンフットプリント算定手法
製品のカーボンフットプリントの算定は、ライフサイクル全体の排出を5つの段階に分け、(1)原材料の調達段階、(2)製造段階、(3)輸送段階、(4)製品の使用段階、(5)廃棄段階として、サプライチェーン全体の排出を網羅し、それぞれの段階に分けて算定しました。次で、各段階について詳しく説明します。
5.さいごに
今回は、2021年度の実績について、カーボンフットプリントを算定していますので、4.で示した数値を、2021年度の出荷個数を考慮して、商品毎の1個当たりの数値を算定しています。したがって、同じ商品でも、年度が代わり、二酸化炭素の排出量が大きく削減できた場合には、カーボンンフットプリントの数値も小さくなることになります。このように、今後も算定自体の改善が必要で、より正確で実態にあった数値を算定し、削減できるように、努めていきたいと思います。
